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2012 11.06 Tue

不動産の有効活用とアパート・賃貸マンション経営⑩

WAKOの高田です。

 
 
前回の続きです。

前回は、法定相続分、遺留分に関する民法の原則をご説明しました。

 

今回は「中小企業経営承継円滑化法」の「遺留分に関する民法の特例」についてご説明します。

 

遺留分の算定の基礎となる財産には、生前に贈与された財産も含まれます。

法定相続人への贈与は、特別受益として相続の前渡し分となりますので、原則として何年前のものであっても、遺留分算定基礎財産に算入されます。また、合算される贈与財産の評価時点は、贈与時でなく相続開始時となります。

後継者に生前贈与された株式の価値が、後継者の貢献により上昇した場合、価値上昇分も遺留分減殺請求の対象となります。

後継者が事業を頑張ると、遺留分が増えるという結果になります。

 

 

■遺留分に関する民法の特例

 

一定の要件を満たす後継者が、遺留分権利者全員との合意及び所要の手続(経済産業大臣の確認、家庭裁判所の許可)を経ることができれば、民法の特例の適用を受けることができます。

 

 

民法の特例には①除外合意と②固定合意の2種類があります。

 

除外合意

先代経営者から後継者へ贈与された自社株式その他一定の財産について、遺留分算定の基礎財産から除外することができます。

贈与株式が遺留分減殺請求の対象外となるため、相続に伴う株式分散を未然に防止することができ、自社株式を後継者に集中させることができます。

 

 

固定合意

生前贈与株式の価額を「合意時の評価額」で予め固定することができます。

後継者の貢献による株式の価値上昇分は遺留分減殺請求の対象外となります。

 

 

除外合意、固定合意に併せて、後継者が先代経営者からの贈与等により取得した株式等以外の財産(事業用不動産や現預金等)について遺留分の対象から除外することもできます。

 

 

除外合意と固定合意はどちらか一方しか使えないというわけではありません。

一部の自社株式を除外合意の対象とし、残りを固定合意の対象とすることもできます。

 

 

 

次回へ続く。

 

 

 

WAKO 高田

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