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2012 09.29 Sat

不動産の有効活用とアパート・賃貸マンション経営③

こんにちは。WAKOの高田です。

 

前回に引き続き、土地が親名義の場合に建物の名義をどうするかによってメリット、デメリットの違いについて考えてみます。

 

①土地と同じく親名義で建築する。

②土地は親名義、建物は子供名義で建築する。

③土地は親名義、建物は同族法人名義で建築する。

 

上記3パターンの内、前回は①の「土地と同じく親名義で建築する。」場合を考えてみました。

 

今回は②の「土地は親名義、建物は子供名義で建築する。」場合のメリットとデメリットについて考えてみます。

 

 

・メリット

 

建物から生じる収益はその全てを建物所有者である子供が享受することができるため、親の蓄積財産(金融資産)の増加を抑制できます。

また、親子間で所得の分散が図れ、子の収入確保と将来の納税資金の確保になります。

 

 

 

・デメリット

 

借地権の設定時に権利金等の一時金授受する慣行のある地域においては、借地権の設定時に借地権の贈与が問題となります。

この地域において権利金等を支払うことなく、借地権を設定したときは地主から借地人に借地権相当額の範囲内で贈与があったものとみなされますが、以下の①~⑤の場合は借地権相当額の贈与とみなされません。

 

①個人間で土地を使用貸借で借り受ける場合。

(使用貸借とは、土地の貸借に際して権利金などの一時金や毎年の地代を授受しないものをいいます。)

 

②相当の地代を支払っている場合。

相当の地代の算出方法はいくつかありますが次によるのが通常です。

地価上昇時は「自用地評価額(相続税評価額)の過去3年平均額 × 6%」

地価上昇時以外の場合は「自用地評価額(相続税評価額) × 6% 」

その他にも「通常の取引価格 × 6%」または「公示価格・基準値標準価格から合理的に算定した価格 × 6%」でも良いです。

 

③将来借り受けた土地を地主に無償で返還することを約し、所轄税務署長に「土地の無償返還に関する届出書」を提出している場合。

 

④借地上の建物のみの贈与を受けたときなどで、その借地権の目的となっている土地の全部を使用貸借により借り受けて、所轄税務署長に「借地権の使用貸借に関する確認書」を提出している場合。

 

⑤自然発生借地権。

 

 

話が少しそれましたが、要するに使用貸借で借りるか、相当の地代を支払えば良いのですが、生計を一にする親等に対する地代家賃等は必要経費にすることができないので、子供は地代を支払わない使用貸借として、親から土地を借りて賃貸マンション経営をすることになります。

この場合、借地権が発生しないので土地は自用地、つまり更地としての評価になるので、親名義の建物を建築したときのような相続税の軽減効果がありません。

 

 

総合すると、②の「土地は親名義、建物は子供名義で建築する。」場合は、相続税対策として軽減効果はありませんが、親子間での所得分散、納税資金の確保という点においてメリットがあります。

相続までの期間が長い場合には有効な手段となります。

 

 

次回へ続く。

 

 

WAKO 高田

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