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2013 02.13 Wed

証券化マスター Course2

WAKOの高田です。

 

 

不動産証券化協会(ARES)が実施している不動産証券化協会認定マスター(ARESマスター)養成講座のCourse 2 演習編のスクーリングを受けに東京の霞ヶ関に行ってきました。

 

00001.jpg  00003.jpg

 

会場は新霞ヶ関ビルであったのですが、高層ビルに挟まれたビル前の道路はすごい風が強かった気がします。

(ここだけ台風のような風が吹いていました)

 

 

実は、ホームページの解析をやっておりまして、前回のブログを書いてから、「証券化マスター」というキーワードでWAKOのホームページに入ってくる方がとても多いなと感じました。

 

巷で人気(話題)の資格なのですが、情報量が少なく(民間資格なので当たり前かもしれませんが)、多くの方が情報を求めているんでしょうね。

 

 

というわけで、これから受けてみようという方の為にも、Course2の情報を少しだけアップしたいと思います。

Course1の時の様子は「こちら

 

 

Course1はとにかく知識を詰め込んで、試験に挑むという内容でしたが、Course2はそこで得た知識をつかって、実際に自分の手でやってみるという内容になっています。

答えがひとつではないという点で、この資格が実務に則した資格といわれる所以かもしれません。

 

 

Course 2 の範囲は201~203の3冊です。

 

shokenka.bmp

 

 

・201「不動産投資分析」
 
・202「不動産ファイナンス」
 
・203「不動産証券化商品分析」
 
 
 
 
各科目毎に
 
 
①テキストを読む→②講義の動画を見る→③レポートの作成

 

という流れになります。

 

 

そして最後に、④スクーリングに出席(確認テスト)があります。

 

 

テキストは1冊200ページ程度、動画は科目毎に2~3時間程度あり、レポート作成に取り掛かるまで(①→②)に1科目につき10~20時間程度、レポートの作成(③)に1科目につき10~20時間程度は必要になるのではないかと思います。

(個人のベースにある知識量や、仕事の業務内容等で所要時間は変わってくると思います。)

 

 

Couse2の教材は(11月末発送)12月初旬頃に到着し、各科目毎のレポートには提出期限があります。

201科目の期限が12月19日、202科目の期限が1月8日、203科目の期限が1月21日でした。

 

 

年末~年始の忙しい時期に仕事をしながら、決められた期間内でこれだけの勉強時間を捻出するのがとても大変だなという印象でした。

(今年の正月はレポートで完全に潰れてしまいました。。。)

 

かなり計画的にやらないと間に合わないという方もいるのではないのでしょうか。

 

 

その後、スクーリングがあり、各科目1時間の講義と1時間の確認テストがあります。確認テストは自分でレポートを解いていれば8~9割は答えられるような問題ばかりでした。

この確認テストは実際に自分の手によってレポートを作成したかの確認ということなのでしょう。

 

 

レポートの内容についてですが、

 

 

201「不動産投資分析」

架空のオフィスビルについて、DCF法を使って3つのパターンについてのIRR(CAPEX考慮後のIRR、借入金考慮後のBTIRR、税金考慮後のATIRR)を求めるというような投資分析や、IRRと購入金額との感度分析等をおこないます。

 

この科目は私にとっては実務で不動産の投資分析をおこなっており、DCF法の理解もあったため、エクセルで関数を使いながらDCF表や借入金償却表を作る作業はとても大変でしたが、そんなに難しい内容とは感じませんでした。

(不動産の投資分析をまったくしたことがない人にとってはとても大変で難しい作業だと思います。)

 

 

 

202「不動産ファイナンス」

不動産の調査、不動産の評価、不動産の信託、不動産のファイナンスに関する正誤問題が25問、記述問題が5問という感じでした。

記述問題は、「不動産のストラクチャードファイナンスでは、不動産信託の仕組みを利用することが多いが、不動産信託が利用されている理由は何故か。」というような問に対して、500文字程度で簡潔に説明をするという感じです。

 

この科目も、Course1で得た知識と、Course2のテキストに書いてある内容を理解していれば比較的楽に答えられる問題ばかりですが、記述式で簡潔に説明するためには、深い理解が必要なのだなと感じました。

 

 

 

203「不動産証券化商品分析」

実際のJ-REIT6銘柄の東証REIT指数に対する相対値を計算し、相対値に対する相対値のグラフを描き、各社のホームページにある決算短信のデータから財務業績を分析(ROAやROEを求め、ROEの3指標分解など)をし、ROAやROEの上昇、下落の要因を簡潔に説明したり、財務業績と投資口価格との関係について簡潔に説明したりというような問題。

 

ある期間の東京のオフィス市場のデータをオフィスデータサイトから取得し、既存物件のAbsorptionを計算し、その結果と平均賃料とのグラフを作成して、不動産賃貸市場のどのような特徴を示しているかを不動産の四象限モデルを用いて簡潔に説明する問題。

 

あるREIT銘柄の過去に実際にあった増資について、増資前と増資後の2期間における財務業績の変化を分析して、①どのようなタイプの増資となったか?、②この増資によってBPSは毀損したか?、③なぜ、そうなったのか?を簡潔に説明し、この増資においての当時のマネージャーの狙いがどこにあったのかを考え、簡潔に説明する問題。

 

実際のJ-REIT6銘柄の決算短信のデータを基にバリュエーションをおこない、定量的判断から投資判断(buy、sell、hold)をし、そこに定性評価を加えた場合に投資判断は変わるかを答える問題。

 

などなど・・・

 

粗総合収益率を求める問題では、ゴードンモデル(定成長型配当割引モデル)を変形して、配当の成長率を決算短信のデータを基に求めるというような内容がありました。

正直、ゴードンモデルは知っていましたが、それを応用するなど、、、解き方を言われるまでまったくわかりませんでした。

 

 

・ゴードンモデル

今日の本来価値=1年後の予想配当÷(k-g)

(k):市場期待要求収益率

(g):予想配当の成長率

 

この式を変形し

市場の期待収益率(k)=(1年後の予想配当÷今日の本来価値)+予想配当の成長率(g)

              =予想配当利回り+予想配当成長率

 

今日の本来価値を今日の株価で置きかえたものが、粗総合収益率となるので、

粗総合収益率=予想配当成長率+配当利回り

 

さらに過去の決算短信のデータから、予想配当成長率を求めるというということらしい。

 

 

 

 

203科目は早稲田大学大学院ファイナンス研究科の川口教授が担当の出題なのですが、、、普段から証券分析や財務分析をおこなっていないとまったくわからないような問題ばかりで、自分にとってはかなり難しく感じました。

 

 

(私は203のレポート課題の内容でCourse2落ちたかもしれません。。)

 

 

スクーリングで解答を軽く説明していましたが、大学教授の考えることは私のような一般人には一回聞いただけでは、なかなか理解ができない。。(聞いてもわからない)という感じでした。

 

 

アベノミクスの効果により、今後のJ-REITは金融危機後とは、まったく逆のことがおきるとも仰っていました。

 

新たな増資をしても、投資口価格は上昇していくということでしょうか。

 

川口教授が仰ったことの意味することは今後、J-REITの外部成長(物件の取得)が活発になるということなのでしょうかね・・・

 

やはり凡人には言葉の意味することが理解できません。

 

 

 

 

また、川口教授がスクーリングで仰っていましたが、証券化マスターに合格するということは、証券化の入り口にたったということなで、今後は各自で継続して勉強してほしいと。

 

 

 

そして、アメリカのビジネススクールでは不動産を学ぶことができ、アメリカの不動産業界に携わる者にとってはビジネススクールで不動産を学ぶことは当たり前のことらしい。

 

このあたりが、日本とアメリカの不動産業界の世間での評価の違いなのでしょうか。

 

 

 

今回、証券化マスターの9ヶ月間の受講を通して、証券化プレイヤーの共通の言語を学び、不動産証券化を体系的に学べ、アメリカでは当たり前である不動産金融理論を学べたというのは凄く貴重な経験になったと思います。

 

 

この資格取得に向けて、仕事を休んで、東京まで行かせてくれた会社に対し、とても感謝しています。

不動産証券化協会認定マスターに合格したからといって何ができるというわけではない(独占業務があるわけではない)ので、今後は今回得た知識を仕事(実務)にどう活かすかを考えていきたいと思います。

 

 

 

 

ハーバード・ビジネススクールの「不動産投資」の授業で実践されている学習メソッドを1冊にまとめた基本テキストとして、川口教授監修の「不動産投資ゲーム」という本があるらしいので次はその本を読んでみようと思います。

 

 

 

 

WAKO 高田

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